【いたいのいたいの、とんでゆけ】

続いてさきほど紹介した三秋 縋さんの本です。
『いたいのいたいの、とんでゆけ』。
優しいタイトルとは裏腹に、
帯に書かれたフレーズは少し驚き。
「あなたにも手伝ってもらいますよ、人殺しさん」
こちらの主人公、湯上も
どうしようもない人です。
はじめだけならまだしも、最後までどうしようもない人。
自動車事故によって、ひとりの少女を殺めてしまった、はずだった。
少女は、物事を”先送り”にできる不思議な能力を持っていた。
そして死んでしまったことを先送りにした猶予を使い、
彼女は復讐を実行する。
スプラッタでサスペンスなのかと思いきや、
殺人を犯せば怯え、腰を抜かしたり、夜中眠れずに泣き通したりと
とてもとても人間らしい女の子。
そして、その女の子に惹かれてしまった湯上。
猶予の果てにわかる真実は、
救いようがなく哀しくて、苦しかった。
登場人物としては、隣人の美大生さんが好きです。
ミステリアスな女性大好きです。ふふ。
どちらかといえば、前回紹介した「三日間の幸福」がどストライク過ぎて
期待しすぎてしまったぶん、反応が薄くなってしまったけれど
この方の書く世界観も、登場人物も、結末も、全部私好みだなと思います。
今回のは、時系列が結構混み合っているので
一瞬迷子になりましたが、満足の一冊です。
この方の本は追いかけたい。
しっかりチェックしていきます。
=遊兎=