・*:..。o○君の歌声○o。..:*・

傲慢と無垢故の自意識過剰、 それもまた愛すべき 暴君 、

【仮面病棟・時限病棟】

久しぶりの文庫本レビュー。

最近読んだ本、たくさんあるのに
全然書いてないな。
ぼちぼち遡って書こうかしら。




昨日・今日で読んだ2冊。
天久鷹央シリーズで有名な知念実希人さんの
クローズド・サークル型ミステリ。

『仮面病棟』と『時限病棟』。

いやはや、面白い。
医療モノをメインに書いている著者さんだから
今回も病院が舞台だけれど
ほかのものよりも、ミステリ寄り。

ミステリの王道、閉鎖空間からの脱出。


仮面病棟は、強盗に押し入られた病院に隠された
「秘密」を暴く医療サスペンス。

時限病棟は、脱出ゲームを模した廃病院から
「謎」を解いていく時間制限ありの脱出ミステリ。

どちらも同じ病院が舞台で、
ピエロが鍵を握ってる。

決して難しいトリックを使っているわけじゃないけど
どちらも、危機迫る感じやどうやって医療を絡ませてくるのか
わくわくして読んでました。

ミステリ好き、脱出ゲーム好きとしては
ネタとして時限病棟で取り上げられたことは嬉しかったけれど
やっぱり、文章で表現するのは難しいんだろうなー。

ぞわぞわ感は、リアルに動くピエロの怖さと
誰を信じていいのかわからない不安感を掻き立てる
仮面病棟の方が大きかったかも。
最後のギミックというか、バラシも鳥肌が立った。

伏線の回収の良さに唸らされる。

そのあとに続く時限病棟は、仮面病棟を読んだからこそ分かる作りもあって
見取り図の絵で、ははーん、と思ったり
こういうふうに使ってくるのか、と納得したり。

2作連続読みしたので、気づけた細かいところまで
十分楽しめました。


天久鷹央シリーズや神酒クリニックのように
特殊技能や医療知識ががんがん出てくるものではないけれど
その分、ストレートに謎が楽しめる2作品でした。


=遊兎=