・*:..。o○君の歌声○o。..:*・

傲慢と無垢故の自意識過剰、 それもまた愛すべき 暴君 、

知らない場所に行きたかった

大学から
雨の中を歩いた。

いつもなら電車だけれど
乗り遅れて、次の電車は終電で
かなり待たなきゃいけなかったから。

普段なら
何事も無く、待つのにな。


知らない道を歩きたかった。
このまま、どこかへ行けるんじゃないかって
少しだけ
思ってた。


アパートが見えて
いつもの道に出てきた時
安心したけれど
少し、がっかりしていた。


どこにもいけないし
融けて消えることも出来ないし
ましてや死ぬことも出来ない。


現実にいる私が
少しずつ
あの娘に同化して

抑揚も無く、ただ
哀しいと思うようになっている。


シャワーを浴びて
一人でいたら
泣いていた。

理由もよく分からない。

はじめは溜まるだけだったのに
結局、流れ出して
喉の奥が痛くなった。


強くなったのか、
弱くなったのか。


どちらでも構わない。

このまま、
どこにも休む場所すら見付からず
摩耗していく自分を

ただ、観続ける自信はないな、



はやく、かえりたい。


=遊兎=